どないやねん万能説

私は関西出身ではないが、大阪に住んでいたことがある。
勤め人をしていた頃のことだ。
当然ながら飛び交う関西弁。
方言もまた文化であるため、ビジネスシーンであっても積極的に使用されていることを日々好ましく感じていたものである。
そんな中、今もって私の中の”声に出して読みたい日本語”不動の一位に君臨する言葉がある。
それは「どないやねん」。
驚異的な汎用性の高さ、歯切れの良いスピード感、リズム感もよく、何よりも受け手に解釈を委ねる間口の広さ、これほど使いやすい言葉があろうかと、今でも書きながら新鮮な感動を覚えるほどである。
良いときも「どないやねん」、悪いときも「どないやねん」、ハイテンションの時もローテンションの時も「どないやねん」、なんと素晴らしい、まさに万能といえる。
某つぶやきSNSでは、全体の印象を緩和する目的なのか末尾に「知らんけど」が使用されているのを目にすることがあるが、発音してみるとややリズムが悪く、少々の突き放されている感も否めない。
また、類語として「なんなん」があるが、使い方によっては少々威圧感があるため、矢張り「どないやねん」には勝たん。
いかがだろうか、この万能感。
私はエセ関西弁がネイティブに忌み嫌われると知りつつ、この単語だけでもイントネーションを習得したいと考え、尼崎出身の同僚から度々トレーニングを受けたものだが残念なことに80%程度の再現率にしか到達せず断念した。
よって、心の中での使用にとどまりはするものの、言語化し辛い感情に苛まれた時などに人知れずセルフツッコミを入れるとかなりもやっと感が解消される。おすすめである。
二白:とlinkedinで投稿したところ、関西圏の方々に言わせるとそもそもそれほど使われるフレーズではないそうで。よそものだからこそ耳についたのでしょうね。